2023年11月20日から22日にかけて京都で行われた電池討論会にて、D2亀水が口頭発表を行いました。講演題目は「干渉計と有限差分法を用いた印加電流反転に伴う電解液中の濃度分布」です。
日頃より切磋琢磨するゼミでの鍛錬が功を奏してか、壇上での発表は予想以上に冷静に臨むことができました。同学会での前回登壇から二年の歳月を経て、質疑応答における対応力も着実な進歩を遂げられたと自負しております。会場では、本邦各地より集結された気鋭の電池研究者による卓越した知見の数々に触れる機会を得ました。とりわけ、液系電池を専門とする私にとっては未知の領域である全固体電池セクションでの講演は、その高度な内容に圧倒されながらも、新たな研究の地平を垣間見る貴重な機会となりました。
研究発表の合間を縫って、悠久の歴史を誇る奈良・京都の神域を巡礼してきました。
Fig. 1 石上神宮と橿原神宮
起死回生の神徳で知られる石上神宮では、予期せぬ質疑にも適切な応答ができますようにと祈願を捧げました。また、建国の聖地たる橿原神宮では、初代神武天皇の御神威に圧倒されながら、広大な杜を進むごとに凛とした空気が漂い、背筋が自然と伸びる思いに。博士課程における学位審査の円滑な進捗を深々と祈念しました。
Fig. 2 晴明神社と下鴨神社
発表を終えた安堵感とともに晴明神社と下鴨神社を参拝。研究発表への感謝を捧げつつ、後進の研鑽も併せて祈願しました。その足で風情ある鴨川デルタを渡り、京都大学吉田キャンパスへと辿り着きました。折しも開催中の学園祭の活気に満ちた雰囲気に触れ、心が躍る思いでした。
Fig. 3 福知山マラソン完走結果
学会終了の翌日、帰札までの貴重な時を活用し、清々しい秋空の下、福知山マラソンに挑戦の機会を得ました。二週間前に真駒内で記録した自己ベスト2時間47分00秒の大幅更新、そして目標の2時間40分切りを胸に秘めてスタートラインに立ちました。
序盤から中盤にかけては、理想的なペース配分で進みました。ハーフポイントを1時間20分04秒で通過し、この快調な流れに密かな期待が芽生えました。しかし、25km地点を過ぎた辺りから、次第に足取りが重くなり始めます。疲労でランニングフォームが徐々に精彩を欠いていき、必死に持ちこたえようとするも、35km付近で両足に襲い来る痙攣の予兆。結果として、2時間42分14秒でのフィニッシュ。目標には僅かに届かず、学生最後のレースを悔いの残る形で終えることとなりました。しかしながら、従来の記録を4分以上更新できたという事実は、日々の研究活動の合間を縫って重ねてきた練習の成果が結実した証と捉えることも。時に厳しい研究生活の中でも、継続的な努力を怠らなかった自身を些かながら評価させていただきたく存じます。
この度のマラソン完走と学会発表、そして古都巡礼を通じて得た数々の気付きを糧に、博士課程における研究活動もマラソンさながらの粘り強さで邁進して参る所存です。
ここで一句。
実験の 合間を縫いて 走りつつ
暮れなば戻り また夜を守る
(文責)D2亀水