研究紹介&インタビュー|M1杉崎編 (溶融塩電解)

 

こんにちは!WEB担当の亀水 (M2)です。

もうそろそろ研究室配属の時期がやって参りますので、研究室選びの参考としてもらうため、これから1週間ごとに各学生へインタビューを行い、各人の研究紹介と後輩へのメッセージを書いていこうと思います。

最初はM1の杉崎(すぎき)くんへのインタビューです。

それでは、さっそく始めていきます。

 

~目次~

  1. 研究内容のご紹介
  2. 研究の面白さ・大変さ
  3. 研究以外で力を入れて取り組んでいること
  4. 後輩へメッセージ

 

研究内容のご紹介

インタビュアー
こんにちは!今日はどうぞ、よろしくお願いします
杉崎
インタビューありがとうございます。何でも聞いて下さい
インタビュアー
早速ですが、杉崎さんは今、どのような研究をしているのですか?
杉崎
私は今、①溶融塩中でのAu電析②その電析膜の多孔質化をテーマに研究を行っています
インタビュアー
2つもやっているのですね!
杉崎
”2つ”というよりも、①の次のステップとして②があるといったイメージです
杉崎
私の研究では、異なる複数の塩(えん)を高温で溶かして液体状態にした『溶融塩』という物質を使用します。溶融塩は電気化学的に測定可能な電位範囲が広く、水溶液中では電析不可能な金属を析出させられます
インタビュアー
この溶融塩中で金を電析させ、その金を多孔質化していくのですね。ちなみに、杉崎さんが研究対象としている多孔質な金は社会でどのように使用されていますか?
杉崎
特定のガスのみを効率よく吸着する特性を活かし、水晶振動子マイクロバランス (QCM)で主に使用されています。QCM法はセンサーへの物質の吸着量をナノグラムオーダーで測定できる量測定法で、温度や振動など外部環境の影響を受けにくく、高精度で測定可能であるという長所があります
杉崎
私の研究がさらに進めば、測定サンプルをより高精度で秤量できるようになります。分子の結合強度や相互作用など多種多様な生化学分析の更なる拡がりに貢献できると考えています
インタビュアー
なるほど、色々な分野に影響が派生する非常に魅力的な研究ですね^^
それでは次に、研究室でこれまで2年程度過ごしてきて(面白いな)と思ったことと(大変だなぁ)と思ったことについてお聞かせください
杉崎
はい、分かりました!

 

研究室生活で面白いこと/大変なこと

インタビュアー
ではまず、”面白いな”と思ったことからお聞きします
杉崎
研究室生活で一番面白いなと思ったのはやはり実験ですね。化学実験って他ではできないすごく特別な経験ですし、私の場合、研究テーマが【金】という貴金属を使ったものなので、サンプルを取り扱うだけで少し心が躍ってきてしまいます^^
インタビュアー
やはり実験は研究室生活の醍醐味ですよね!
杉崎
そうですね。大学3年次までは授業の大半が座学であり、得た知識を能動的に使う機会がほとんどありませんでした。しかし、研究室に配属された大学4年次からは日常的に手を動かして実験することができ、おかげで(教科書に書いてあったあの内容ってこういうことだったのか!)と腹落ちする毎日です
杉崎
それに、まだ世界の誰もやったことのない実験をやるわけですから、実験の結果についても(どうなるんだろう?)といつもワクワクさせられています。予想通りの結果を得る一方、たまに予想外の結果が出ることもあり、そんな時は先生と一緒になって(どうしてだろうなぁ)と何が起こったのか考察を重ねています
インタビュアー
研究を進める上で一番大切にしていることは何ですか?
杉崎
あまり深く考え込みすぎないことです。やってみなくちゃ分からないことは考えても仕方がないですし、考えてばかりいるとだんだん実験するのが面倒臭くなってしまいますからね
杉崎
とはいえ、何も考えずに突っ走るのもNGです。のちのちリカバリーできないようなミスを犯さないよう、ほどほどに考え、ほどほどに気を休めることを大切にしています
インタビュアー
研究を進めるにあたり必要となるスキルは何でしょうか?
杉崎
やはりスケジュール管理能力でしょうか。大学院に入ると研究や講義、講義の課題などでかなり忙しくなってくるので、それらを全てこなすために”如何にうまく時間を捻出できるか”が研究の進捗に大きくかかわってきます
杉崎
また、協調性も大切です。実験を行う場所は共用のスペースです。自分だけのものではないし、自分が実験したい時に必ずしも思い通り実験できるわけではありません。だから実験する際は常に周りに連絡を取り合い、相手の実験計画にも配慮して自分の実験を進めるようにしています
インタビュアー
大事なことだと思います。そんな研究を頑張っていると、どんな良いことがありましたか?
杉崎
まとまった成果が出ると全国各地の学会にて発表させてもらえます。私の場合、今年(2023年)の3月に学会発表のため仙台に出張予定です。公の場での発表はプレゼンスキルを高める良い機会ですし、発表後に観光地を訪れたり特産物を食べたりできるのがモチベーションとなっています(≧∀≦)
インタビュアー
それは良い動機付けになりそうです!逆に、研究室生活で大変なのはどのような場面なのでしょう?
杉崎
一番しんどいのはゼミですね。研究をどんどん進めたい気持ちがある反面、実験の合間を縫って発表用意を整えなくてはなりません。テキストや論文などゼミで取り扱うものはどれも専門性が非常に高く、毎回の準備はかなり骨の折れるものとなっています。発表直前は追い込みをかけるため、とくに大変だなぁと感じます
インタビュアー
しかし、裏を返せば、自分の担当回を終えた時の解放感は清々しいものがありませんか?
杉崎
そうですね、あの解放感は最高です!一つ一つの準備が大変な分、ゼミでうまく発表できた時はすごく嬉しく感じます
杉崎
ゼミでの発表を重ねるにつれ、少しずつ発表スキルや発表準備の要領を掴めてきたと思います。今後もひたむきに努力を重ね、大学院修了時には今よりもっと成長できているように頑張りたいと思っています
インタビュアー
分かりました。では次に、研究以外に力を入れて取り組んでいることについてお聞きします
杉崎
はい、お願いします!

 

研究以外に力を入れて取り組んでいること

インタビュアー
研究以外で何か頑張っていることはありますか?
杉崎
草野球を頑張っています。大学入学と同時に野球チームを結成し、もうすぐ6年目のシーズンとなります
インタビュアー
長いですね。大学入学前から野球をやっていたのですか?
杉崎
そうですね。中学・高校生時代からやっており、大学でも野球を続けたくなって草野球をしています。年を重ねるにつれ、少しずつ体力が衰えていくのを感じています。衰えきる前に全道大会、あわよくば全国大会に出場したいと思っています!
インタビュアー
頑張ってくださいね
全国大会に出場する時はみんなで応援に向かいます^^
杉崎
ありがとうございます^^
パワー増強のため、一年前から筋トレを始めました。北大のトレーニングセンターで週に1~2回ほど全身を強化しております。まだ筋トレが野球のプレー面に活かされている実感はありませんが、引き続き筋トレを続けて肉体改造に励めば、もしかするとパフォーマンスが劇的に向上する時が訪れるかもしれません
インタビュアー
草野球や筋トレは研究にどのように活かされていますか?
杉崎
2つあります。
一つ目は、体を動かせて良い気分転換になる点です。研究では頭を酷使してものすごく疲れてしまいますので、外で野球したりトレーニングセンターで肉体を追い込んだりすることで気分をリフレッシュできています
杉崎
二つ目に、「日曜日は野球の日」「○○時からは筋トレ」と趣味をルーティン化しているおかげで、研究に関してもルーティンの一部として取り組むことができています。研究を継続的に進められているのも趣味のおかげなのかなと思います

 

後輩へメッセージ

インタビュアー
では最後に、今後環境材料学研究室へ配属される後輩に向けて何かメッセージをお願いします
杉崎
研究室に配属されると、プレゼン授業や大学院試験、卒論製作など、骨の折れるイベントが次々とやってまいります。乗り越えるのは大変だと思いますが、一緒に研究室へ配属された同期と励まし合って様々なイベントを乗り切って下さい
杉崎
もし分からないことがあれば遠慮なく周囲の人間を頼りましょう。専門的なことは先生方が、実験や生活面は上級生がサポートしますので、どんどん声をかけてもらえればと思います
インタビュアー
今日はどうもありがとうございました!
杉崎
いえいえ、こちらこそ!